前回の続き。
どんな病気かについては前回の『粉瘤(アテローム)について~にきびやおできとは違う?』を見てね。
実際の治療の手順
治療1日目
- 炎症を起こしている部分に麻酔の注射をする。
- 炎症部分の膿を出すためにメスで穴を開ける。
- 膿を器械で掻きだす。(または押し出す。)
- 消毒薬を浸した細長いガーゼを詰める。
- ガーゼとテープで保護する。
治療2~14日程度(治療期間にかなりの個人差あり)
- 保護していたテープ等を外し、詰めていたガーゼも抜く。
- 中に膿が残っていないか押し出し、確認する。
- 消毒に浸した細長いガーゼを詰める。
- ガーゼとテープで保護する。
この作業を出来るだけ毎日繰り返します。
全然やらないと、患部が不潔な状態になり、症状が横ばいで済めばいいのですが
悪化してしまう事もあります。
症状が落ち着き、膿がほとんど出なくなったら詰めていたガーゼを抜き、後は自分でシャワーでしっかり洗浄し、軟膏を塗って傷が治るのを待ちます。
なぜ、ガーゼを詰めるのか?
と言うと、それには大きく分けて二つの理由があります。
- 消毒液に浸したものを詰めることで中の雑菌を直接やっつける
- 折角膿を出すために開けた通り道が勝手にふさがらないようにする
人の身体は元に戻そうという反応があります。
そのため、傷ができても骨折しても治そうとします。
しかし、今回ばっかりは余計なお世話で、中に膿がたまったままだと炎症は改善されず、ずっと痛い思いをしなくてはいかなくなります。
粉瘤は炎症を起こさないようにすることが一番大切です
では、このように粉瘤が炎症を起こさないようにするには、
- 日ごろから垢がたまり過ぎないように押し出す
- 袋になっている部分を手術で切って取ってしまう
根治をしたいと考えるのであれば、2の手術で取る方法しかありません。
実際手術したとしても、傷に防水テープを密着して張れる場所であれば、基本的には日常生活を送る事が出来ますし、意外に大変なことではないです。(入浴やお酒は駄目ですが。)
痛みは痛みどめの内服はしていただきますが、痛くて困ったという方はほとんどいませんのでご安心を(*^_^*)
しかし、良性の腫瘍なので、基本的には大きくならないように定期的に中身を出してしまえば手術する必要はありませんよ。
炎症を起こさないようにすることが一番大切です。
周りの人で粉瘤がある人には是非教えてあげてください。
また、粉瘤かどうかわからない場合もありますので、気になる症状などありましたら、お気軽にタカナシクリニックにご相談ください。